宗教を作りたい

存在がある。

存在があり、初めて人間はその存在を認識することができる。

人間が存在を認識する以前に、内部で存在についての処理を行う過程が入る。

では、そもそも存在がある以前の状態は、どのような状態で、どのような過程により存在が生まれるのだろうか。

「存在の以前の状態が神の領域で、神の領域から存在を生み出す過程そのものを神と定義する宗教」を作りたい。

けど、宗教として成功するには、人間どもに対して、この思想によって人間に齎される「うまみ」がなければならない。

では、こう考えよう。

人間に与えられた、他の生物と異なる大いなる相違点は「知性」である。

知性があるので、存在から認識の過程を「処理」することができる。

先ほど定義した、神の領域及び神は、「処理」を超越するものであり、例えば人間が「ビッグバンより以前、宇宙が存在する前はどのような状態だろう」という問いに対し挑戦するようなものである。

これらは「神のみぞ知る」であり、人間が考えようとするのは浅はかである。「”存在”の以前は神の領域なのだから、人間が踏み込むべきではない」と「知性」によって認識を行うことで、その人間は新たなステージへと上昇し、解脱=死によって、新たなる「知性」を手に入れる。

新たなる知性とは、それすなわち「神」である。

つまり、この宗教は多神教なのだ。この世界は、「神」のステージへと到達した英雄たちによって、無=神の領域から、存在が生み出されているのだ。